エアーズロックはドイツのコーチビルダー、ハイマーの子会社のハイマーカーが製作するフィアットデュカトベースの 輸入バンコンキャンピングカー。
同社にはレイアウトにより全長が異なるモデルが全部で6モデルあるが 、エアーズロックは最も小さいシドニーについで小型のモデル。
それでも欧州のモーターホームらしく温水シャワーまでついたフル装備で、インテリアも欧州のモーターホームに習ってセンスの良いものになっている。
エアーズロックにはオプションでポップアップルーフが架装でき、これをつけた場合には大人が 計4名就寝できる。
従ってファミリーでの使用にも対応できる。
ただ、デュカトベースなのでポップアップルーフがなくても室内高は十分あり、二人で使用するならポップアップルーフはなくても窮屈感は全くない。
レイアウトは前にダイネット、後部にハイマウントダブルベッド、その間にギャレーとサニタリールームが配置される。
ダイネットは、欧州車によくある回転するフロントシートと固定の2列目シートで対座でき、 4名がくつろぐことができる。
後部のダブルベッドは 1,920x1,220 mmで、家庭用ベッドのセミダブルベッドの大きさ。
厚みのあるマットレスで寝心地も良い。
このダブルベッドの中央のマットレスを 取り外すと、 自転車などを積むことができる。
ポップアップルーフを上げた時のルーフベッドは 2,000x1,350mmで、こちらの方がわずかに大きい。
ギャレーは2口バーナーのコンロとシンクが一体になったコンビネーションシンクで豪華さがある。
ただコンロとシンクで ギャレー コンソールの上はいっぱいで、調理スペースは期待できない。
冷蔵庫は65リッターのものが標準装備される。
また電子レンジの設定はないが、必要な場合は相談すると良いだろう。
サニタリールームはトイレとシャワールームが共用されるもので、カセットトイレと温水シャワーが標準装備される。
温水はガスボイラーで温め、10リッター程度の高温のお湯を水で薄めて適温にする。
収納はダイネットの上、ギャレーの上、あるいはベッドルームの上にオーバーヘッド収納が豊富に用意されており、収納力は大きい。
また、ギャレーコンソールには引き出し収納も用意されており食器などの収納も問題ない。
さらに、後部ベッドの下のコンソールにも引き出し収納などが付いており、大きな荷物も収納可能。
空調は、温水ボイラー兼用の FFヒーターが暖房器具として使用できるが、冷房用の家庭用エアコンの設定はない 。
輸入車特に欧州車では家庭用エアコンがオプション設定されていることは稀で、ほとんどがルーフエアコンの設定になっている。
ルーフエアコンはバッテリーで駆動できないので、低消費電力の家庭用エアコンのオプション設定が望まれる。
電装系は95Ahのサブバッテリーが1個標準装備されるが、追加のサブバッテリーがオプション設定されているので、搭載しておくと良いだろう。
また外部入力電源も装備されている。
ソーラーシステムの設定がないが、必要ならこれも相談すると良いだろう。
エアーズロックは6mを切る車体で、国内では比較的運転しやすい輸入キャンピングカーと言える。
ファミリー使用で輸入バンコンを探している場合にはお勧めできる一台だ。
ただ、価格的には850万円(税別)で、 輸入バンコンとしては高価な方に入る。
最近では輸入キャブコンでも 700万円台(税別)、あるいは場合によっては600万円台(同)のモデルもあるので、 比較検討すると良いだろう。
国内モデルでポップアップルーフにするメリットは、高さ制限のある駐車場に入れることがあるが、エアーズロックの場合はポップアップルーフを下げても車高が高いので、就寝人数が4名になる以外、あまりメリットがない。
更に、850万円の中にはポップアップルーフオプションの価格(80万円弱)は含まれていない。
従って、ファミリーで使用するだけのためにポップアップルーフを選択するなら、耐候性や断熱性に優れるキャブコンを選択する手もあるだろう。
従って、エアーズロックはポップアップルーフ無しで、二人での使用が似合っているのではないだろうか。