Tommy Bahama(トミーバハマ)は米国のエアストリームが製作するトラベルトレーラー。その銀色の車体はエアストリームのトレードマークであり、高級トレーラーの印でもある。
Tommy Bahamaモデルはその名の通りアパレルメーカーのTommy Bahamaとのコラボレーションモデルで、 クッションやベッドカバー、あるいはオーニングに至るまでTommy
Bahamaのものが使われている 。インテリアは、同社のClassicモデルに次いでクラシカルな雰囲気を持っているが、Classicが純粋なアメリカンクラシックであるのに対し、Tommy
Bahamaは、クラシックな雰囲気の中にもモダンなセンスがあり、両社が絶妙に融合している。
Tommy Bahamaのインテリア
モデル名の19CBは19フィートを表しており、全長は5480 mmで6mを切る。シリーズでもう一つ存在する27FBが2軸なのに対し、19CBは1軸のトレーラーで、同社の他モデルに比べると扱いやすい大きさではある。
ただトレーラーの扱いの経験が浅いユーザーならこのあたりの大きさが限界だろう。
19CBでも室内は十分広く、レイアウトは対座ダイネットと常設ダブルベッド、ギャレー、トイレ/シャワールームで構成される。
ダイネットは、乗車定員の4名がゆったり滞在して寛げる広さを持っている。テーブルも広く、4名分の食器が乗せられる。
このダイネットは展開してダブルベッドになるので、常設ダブルベッドと合わせて4名が就寝できる。従って、ファミリーでも使えるが、このクラスでベッド展開するのは何か違和感がある。やはり2名でゆったり使用するのが理想的なのだろう。
広い対座ダイネット
常設ダブルベッドは 1930x1220mmで、家庭用のセミダブルベッドの大きさでしかないのは意外だ。グレードから考えると、少なくとも家庭用のダブルベッドの幅が欲しいところだ。
もちろん海外モデルらしく、ベッドの作りはマットレスを含め家庭用ベッドに劣らないので、寝心地に不満はないだろう。
ベッドルームには常設ダブルベッドが設置されている
ギャレーには大きなシンクと3口のコンロを持つガスコンロがビルトインされている。またガスコンロの下には電子レンジ付きガスオーブンが標準装備されている。キッチンベンチレーターも装備されているので煙が出る調理も可能だ
。冷蔵庫は2Way 140Lのシングルドア冷蔵庫が標準装備される。
独立した3口コンロを持つギャレー
サニタリールームは温水シャワーとカセットトイレが標準装備されており、サニタリールームの隣には独立した手洗いも用意されている。 給水タンクは87Lなので、節水して使えば4名でも使えるだろう。
なお、水の加熱は20Lの電気ボイラーで行い、水と混合して適温にする。当然、湯を沸かすためには外部電源が必要だ。
収納はダイネットとギャレー上部のオーバーヘッド収納のほか、家具の各所に用意されている。また、シート下やベッド下も収納スペースがあるので、よほど大きな荷物でなければ収納に困ることはないだろう。
さらにクローゼットも用意されており、長いコートなども収納しておくことができる。
空調は、ガス式のFFヒーターと、冷房はルーフエアコンが標準装備される。ただし、ルーフエアコンは外部電源でのみ運転可能で、バッテリーでは使えない。
電装系は95Ahのサブバッテリーが2個標準装備される。また外部電源も入力できる。インバーターは1000Wのものが標準装備されているので、バッテリーで100V機器を使うこともできる。電子レンジをバッテリーで使う場合は1500W以上のインバーターが必要なので、必要な場合は問い合わせるとよいだろう。ただ、このようなトレーラーは外部電源が確保できるところに停泊するのが常なので、通常は必要無いだろう。
エアストリーム Tommy Bahamaは、最高級のトラベルトレーラーに、専用のインテリアを施した特別な1台だ。こだわりのあるユーザーには見逃せないモデルだろう。
ただ、価格を含め、簡単に手を出せるものではない。同サイズの欧州モデルなら、半額程度で手に入るし、トレーラーの牽引は国内では気を使うだろう。しかし、超一級のものは、やはり魅力的だ。単に豪華なだけでなく、エントランス横の照明付きバー/パントリーのような余裕も感じさせる。このような「華」が国産車にも欲しい。