用語解説

【あ行】 【か行】 【さ行】 【た行】 【な行】 【は行】 【ま行】 【や行】 【らわ行】

 

【あ行】

RUV(アール・ユー・ブイ)
Recreational Utility Vehicleのこと。従来のRVに対し、更に活動的な要素を持たし、またSUV(Sport Utility Vehicle)に対し、更に快適性を持たした、新しいジャンルのモーターホームのカテゴリーとして、米国のThor(ソアー)社が提案した。同社はVegas(ベガス)とAXIS(アクシス)の2車を2014年にRUVとして発表した。これら2車は、フルコンながら今までの米国のモーターホームに比較してコンパクトにまとめられており、機動性が向上している。同時に燃費も改善されており、省エネを意識した今後のモーターホームの方向性も示唆している。(写真はVegas)


アクリル2重窓
キャンピングカーの断熱を考えるとき、ガラス窓からの冷気の侵入は大きな問題となる。これを防ぐため、キャブコンなどでは一般的にアクリルの2重窓を採用する。アクリル2重窓の効用は結露対策にもなる。弱点としてはガラスよりも傷が付きやすいことが上げられる。最近では、ハイエースなどのバンコンでも、エクステンションウインドウを装着するとともに、アクリル2重窓を採用するモデルが増えてきた。

バンコンに採用されたアクリル2重窓の例(ダーウィンS3)

AL-KOシャシー
独AL-KO社が製造するシャシー。キャラバン(キャンピングトレーラー)やセミインテグレーテッド(キャブコン)のシャシーとして使用されている。軽量かつ剛性を持つ同社のシャシーは、オプションでグレードアップ設定される場合もありハイグレードとして認識されている。主に欧州車に使用されるが、セミインテグレーテッドの場合は、フィアットのデュカトが使用されるケースが多く、これはFFのため、後部のシャシーのメーカー、長さ等を自由に選択できる



アルコベン
アルコーブンなどとも記されることがある。
欧州のモーターホームの分類名で、バンクを持つ架装形態のものを言う。
Alcovenの元の意味は、奥まった小部屋で、バンク部がそのような形態をしていることに由来する。
欧州ではキャブを残したシャシーに架装するもののうち、バンクを持たないものはセミインテグレーテッドと呼び、アルコベンと区別しているが、日本ではキャブコンで統一されている。
米国ではクラスCに相当する。
セミインテグレーテッドはバンクを持たないため、主にカップル向けとされ、アルコベンはファミリー向けとされる場合が多い。
下はアドリアモービルのリドアルコベン。



主に欧州のモーターホームのカテゴリーで使用される呼び名。
フルインテグレーテッドと呼ばれる場合もある。
日本ではフルコン(フルコンバージョン)にあたる。
また、米国ではクラスAに相当する。
これに対し、キャブを残したシャシーに架装したものをセミインテグレーテッドと呼ぶ。
車両メーカーから供給されるエンジン付きのシャシーに上物を架装する方法で、ボディ形状の自由度が高く、またスペース効率が良いため、多くのモデルが生産されている。
欧州でも大型のものが主流であったが、近年では6mを切る比較的小型のものも存在しており、日本へも輸入されている。
下の写真下はハイマーバン314。
フィアットデュカトをベースにしている。


インバーター
バッテリーのDC電源を家庭用のAC電源に変換する装置。キャンピングカーで家庭用の電気製品を使用する場合は、100ボルトの電源が必要である。しかし、キャンピングカーのサブバッテリーはDC電源であり、そのままでは使用できない。そのため、DC電源を100ボルトのAC電源に変換する必要がある。インバーターは使用する電気製品によって必要となる容量が異なり、電子レンジなど大容量の電気製品を使用する場合は、大容量のインバーターが必要である。ただし、インバーターが大容量でもサブバッテリーの容量が大きくないとすぐにサブバッテリーが上がってしまうため、電子レンジなどを使用する場合は外部100ボルト入力か発電機で使用するのが望ましい。

エアコン
キャンピングカーで使用されるエアコンは、従来ルーフエアコン、ウインドウエアコンが一般的であったが、最近ではキャブコンやバスコンなどスペース的に余裕のあるタイプを中心に家庭用エアコンを搭載するキャンピングカーが増えてきた。ルーフエアコンは機材を天井につけるため重心が上になり、クルマの安定感が損なわれるという考えもあったが、最近ではエアコンの小型化も進んでいる。一方安価であること、消費電力が小さいことから、室外機を取り付けるスペースがある場合は家庭用エアコンを搭載するモデルが増えている。写真右上はバンコンに家庭用エアコンを取り付けた例であるが、バンコンに家庭用エアコンを取り付けるケースはまだ少ない。エアコンの電源は、外部100V電源か発電機を使用するのが一般的であるが、外部電源は供給できる場所が限られること、発電機は騒音の問題があり、近年ではソーラーシステムを搭載することによりエアコンを駆動するモデルも出てきている。


家庭用エアコンを搭載したRVトラストのボレロV-Max

エクステンションウインドウ
エクステンションボックスとも言われている。ハイエースなどのバンコンで、車幅方向に就寝できるようにするため、窓を取り外し、ここにエクステンションウインドウをはめ込む。これにより、ベッドを車幅方向に設置することができ、効率の良いレイアウトが実現できる。エクステンションウインドウが設置されるのは主に右後部の窓で、これを設置し、後部にハイマウントベッドを配置したレイアウトを取るモデルが多い。エクステンションウインドウで、右側中央部と後部の窓を全てカバーしたモデルも登場しており、この場合は中央に配置されたダイネットの窓が出窓になり広さを演出する効果もある。


 エクステンションウインドウの例  車両右側後部ウインドウの車幅が拡張され車幅方向に就寝可能

NV200バネット
2009に登場した日産の商用車で、バンとワゴンがラインアップされる。
三菱自動車工業のデリカD:3およびデリカバンはOEMモデル。
エンジンは1.6Lガソリンのみで、109PS/6000rpm。
ミッションは4ATと5MTが選べる。
駆動方式は2WDのみ。
キャンピングカーには、主にバンコンとして使用され、軽以上ハイエース未満の、取り回しが良く、そこそこ広い室内を持つコンパクトバンコンとして多くのモデルが作られている。
ボディカットによるキャブコンも製作されているが、2015年現在ではエートゥゼットのアルファシリーズのみである。
しかし、低重心による安定した走行性能を特長としている。



NV350キャラバン
2012年に登場した日産のワンボックス商用車で、キャンピングカーにはバンコンのベース車として使われることが多い。
トヨタハイエースのライバル車に位置付けられ、サイズや機能的にも近い位置にあるが、キャンピングカーのベース車としては、まだまだハイエースの方が多く使われている。
詳しくは、基礎知識のNV350キャラバンの項を参照。

FFヒーター(エフエフヒーター)
キャンピングカーの暖房に使用する室外排気のヒーターのこと。狭い室内で暖房を取る場合は、一酸化炭素中毒などの事故を避けるため、排気は車外にすることが重要。FFとは、Forced draught balanced Flue typeの略で、日本語にすると密閉式・強制給排気型となる。FFヒーターは車内に燃焼した排気を入れることなく、車外に排気することが可能。FFヒーターが付いているとエンジンを切っていてもヒーターを動作させることができるので、アイドリングでクルマのヒーターを動作させるよりも効率的、環境的に優れている。冬場の車中泊をするユーザーには必需品と言っても良い装備である。キャンピングカーのFFヒーターは軽油やガソリンを燃焼するものが多く、バンコンではコンパクトな独ベバスト社のエアトップヒーターなどがよく使用される。キャブコンやトラベルトレーラーのようにLPガスボンベを装備するキャンピングカーでは写真2のような形状のヒーターが使用されることが多い。

独ベバスト社のエアトップヒーター(上)と英トルマ社のガスヒーター(下)

LPガス
キャンピングカーやトレーラーの熱源として、LPガスを使用している場合がある。小型ガスボンベを搭載し、使い切ると、ガス屋さんで再充填してもらう。しかし、2008年頃から、安全性の懸念からキャンピングカーへのガス充填を拒否する販売店が増加し、現在では国産キャンピングカーではほぼ使われていない。現在では国産車はカセットガスが一般的で、オール電化されているモデルも増えてきた。しかし、輸入車ではトレーラーを含め、多くのモデルでLPガスが使用されており、輸入車を購入する場合は注意が必要である。輸入車を扱う販売店では、国内仕様としてカセットガスにシステム変更している場合もある。

エントランス
入口のこと。キャンピングカーのエントランスは居住部への入口が運転席、助手席のドアと独立している場合がほとんどで、入口の位置により、フロントエントランスやリアエントランスといった呼び方をする。ハイエースなどのバンコンではボディーをそのまま使用することがほとんどのため、エントランスは左中央にある。キャブコンでは、レイアウトによって、シェルのフロントにあったり、リアにあったりする。一般的にフロントエントランスでは後部に2段ベッドなど、リアエントランスでは前部に広いダイネットを取るレイアウトに向く。

  キャブコンにおけるフロントエントランスとリアエントランスの例

オーバーヘッド収納
オーバーヘッドキャビネットとも言う。「オーバーヘッド」すなわち頭上にある収納庫のこと。ハイルーフや天井の高いキャンピングカーでは、頭上にも余裕があるため収納庫のスペースを取ることができる。ハイエースなどバンコン系ではルーフが丸みを帯びているため、オーバーヘッド収納庫が付いていても、意外に奥行きが無く、収納容量が小さい場合がある。収納庫の扉は、開けた状態でロックできるもののほうが両手を使って収納物を出し入れできるため、使いやすい。



外部100ボルト入力(外部電源)
自宅の駐車場やオートキャンプサイトなどで100ボルト電源が確保できる場合、これをキャンピングカーの電源として取り入れる機能。キャンピングカーのボディー外部に100ボルト電源取り入れコネクターがあり、ここに100ボルト電源を接続することにより、キャンピングカー内の電気製品が使用できる。外部電源を使用しているので当然サブバッテリーは減らないし、外部電源からの充電装置がある場合は、外部電源により充電することも出来る。

カセットガス
国産キャンピングカーの熱源として、カセットガスは広く使用されている。国産車では、主にコンロ用に使用される。ガスを使う器具として、コンロのほかにはヒーターや冷蔵庫があるが、国産車ではほとんどがFFヒーターや電気冷蔵庫を使用しているため、ガスはコンロ用に使用される場合が多い。ガスボンベは250グラムのものが一般的で、ホームセンターなどで容易に入手できる。一方、輸入車や年式の古いモデルではLPガスを使用している場合がある。しかし、キャンピングカーのLPガス充填は、販売店で拒否される場合があるため、カセットガスに変更して販売している販売店もある。


カセットトイレ
→トイレ

過放電防止装置
サブバッテリーは完全に放電させてしまうと、もとの充電量まで充電できなくなる特性がある。過放電によってサブバッテリーの能力が低下するのを防止するため、一定量以下の充電量になると自動的に放電を停止させる装置のことを言う。

カムロード
トヨタの6代目トヨエースをベースに、キャンピングカー専用のベースシャシーとして1997年に開発された。
一般には市販されていない。
現在のカムロードは7代目トヨエースをベースに開発され、国産キャブコンのベース車としてスタンダードな地位を得ている。
カムロード専用装備として、キャンピングカー専用サスペンションやリアワイドトレッドが与えられており、乗り心地の向上が計られている。
エンジンは3Lディーゼルターボと2Lガソリンがあり、それぞれ144ps/3,400rpm、133ps/5,600rpmのパワーを発揮する。
駆動方式は2WDがディーゼルとガソリン、4WDはディーゼルのみに用意される。
ミッションは4ATのみ。
なお、いすゞからビーカムと名付けられたキャンピングカー専用シャシーが開発され、カムロード一色だったスタンダードキャブコンのベース車の選択肢が増えた。
写真下はカムロードのベースシャシーとそれを使ったキャブコンの例。

キャブコン
基礎知識のキャブコンの項参照

キャプテンシート
一人掛けのシートのこと。これに対し、2~3人着座できるものをベンチシートと読んでいる。キャンピングカーでのキャプテンシートは豪華さを演出する場合が多く、肘掛けやリクライニング機構がつき、革張りの場合もある。キャプテンシートは一人着座の場合は快適であるが、ベンチシートのようにフルフラットにしたり、ベッドにしたりするする自由度では劣るため、室内に余裕のあるレイアウトで採用される場合が多い。

          キャプテンシートの例

ギャレー
キャンピングカーに備え付けられるキッチンのこと。一般的には飛行機や船舶の厨房設備を指すことが多く、旅客機で食事を用意するスペースがこれにあたる。キャンピングカーはヨットやレジャーボートと似た居住空間を持つことから、同様の呼び方となっている。ギャレーは主にシンク(流し台)とコンロから構成されるが、冷蔵庫、電子レンジなどもギャレーキャビネットに組み込まれていることがある。

 豪華なシンクやコンロが付く輸入車のギャレー     コンパクトにまとまったハイエースバンコンのギャレー 

キャンピングカー
基礎知識の「キャンピングカーとは」の項参照

給排水タンク
多くの場合ギャレー近辺に装備されている貯水タンク。シンクで使用する水を貯めておくのが給水タンク、使用した水をためておくのが排水タンクである。給水タンクからは電動ポンプで水を吸い上げるケースが一般的であるが、簡易ギャレーを積む軽キャンピングカーなどでは、給水タンクを逆さに固定して自然落下させるものもある。給排水タンクはハイエースバンコンレベルではそれぞれ10リッターか20リッターを使用するものが多いが、シャワールームを持つようなキャブコンなどの場合は40リッターから80リッター、輸入キャンピングカーの場合は100リッターを越すモデルもある。国内では温泉などの施設が充実しているため、シャワールームを持つキャンピングカーが少ないこともあり、給排水タンクは小さめである。また、水は重量があるため、多く積んでいると燃費や動力性能、あるいは車体のバランスに影響が出ることも知っておく必要がある。なお、衛生の面から飲料水は多くの場合ボトルで購入しているユーザーが多いようである。

    給排水タンクの設置例

グレータンク
洗顔などで使用した水をためておくタンク。これに対し、カセットトイレの汚物をためておくタンクをブラックタンクという。
日本のキャンピングカー、特にバンコンでは、10~20リッターのポリタンクに排水するモデルが多い。
キャブコン以上のモデルや輸入モデルでは、グレータンクは床下に固定されており、レバーで排水するモデルが一般的。

クラスA
米国におけるモーターホームのカテゴリー名。
クラスAからCまであり、クラスAは日本でいうフルコン、欧州ではフルインテグレーテッドに相当する。
即ち、エンジン付きのシャシーの上物全てを架装する形態である。
この手法は、設計の自由度が高く、またスペース効率に優れる。
大きさも、価格もモーターホームの頂点にあるが、広い米国ではマーケットも大きく、多くのコーチビルダーが手掛けている。
大きなものは車体内部に小型車やスポーツカーを格納できる構造を持ち、滞在先での足を確保している。
日本では大きさ的な制約もあり、現在のところ、ほとんど輸入されていない。

クラスB
米国におけるモーターホームのカテゴリー名で、日本ではバンコンに相当するが、キャブコンのうちバンクを持たないものもクラスBに分類する場合がある。
キャンパーバンと呼ぶ場合もある。
一般的にはバンの内装を中心に架装するため、製作費が安価に抑えられ、価格がクラスAやクラスCほど高価でないのがメリット。
また、サイズも6m程度のものが中心で、取り回しも良く、機動性に優れる。
国産のバンコンは、サニタリールームや温水シャワーを持たないものがほとんどだが、クラスBでは、多くのモデルがこれらの装備を持つ。
下はロードトレックの210Popular。

クラスC
米国におけるモーターホームのカテゴリー名で、日本ではキャブコンに相当する。
即ち、キャブを持つシャシーにシェルを架装するタイプで、米国ではクラスAとともに大型モデルが量産されている。
国内ではサイズ的に取り扱いにくい面があるが、一部輸入されているモデルもある。

KULOS(クロス)
キャンパー鹿児島とベネテックスが共同で開発したリチウムバッテリーシステムの商品名。5100Whの大容量のリチウムバッテリーとそれをコントロールする電子回路がパッケージングされたシステムユニットで、100Ahのディープサイクルバッテリー約8個分の実質容量を持つ。走行充電、太陽光充電、外部100V充電にも対応している。2014年にモデルチェンジした同社のインプラスに標準搭載されたのをはじめ、レムセカンドアクト クロスバージョンにも搭載された。同社以外ではケーワークスのラグフォートにオプションで搭載される。

軽キャンピングカー
基礎知識の軽キャンピングカーの項参照



サイドオーニング
「オーニング:awning」とは日除け、あるいは雨どいのこと。ヨーロッパの街角で見かける、レストランの屋外テーブル用の日除けがそれ。キャンピングカーでは、サイドに取り付け、キャンプ場などで展開して使用する。

キャンピングカーに半永久的に設置するタイプのもの(上)と乗用車のキャリーに取り付ける取り外し可能のもの(右)がある。

サブバッテリー
クルマのエンジンを始動させるメインバッテリーに対し、室内灯や換気扇など車内の電気機器を作動させるバッテリーをサブバッテリーと呼んでいる。通常のクルマにはメインバッテリーしか積んでおらず、バッテリーが上がってしまうとエンジンの始動が出来なくなるが、サブバッテリーを積載したキャンピングカーではサブバッテリーが上がってもエンジンの始動はメインバッテリーにより可能である。メインバッテリーはエンジンを始動するため、一気に大電力を供給できるタイプのものが使用されるが、サブバッテリーにはデープサイクルバッテリーという安定して電気を供給できるタイプのものが使用される。サブバッテリーへの給電は通常走行充電と
外部AC入力により行う。走行充電は、走行中に車に搭載されているジェネレーターによって充電するものである。また、外部ACによる充電は、家庭用の100V電源から充電するものである。家庭用のAC100V入力でサブバッテリーを充電する場合は、DCに変換するためのコンバーターが必要となる。サブバッテリーが搭載されている場合、走行充電システムは一般的に装備されている場合が多いが、外部AC入力はオプションの場合もある。サブバッテリーはメインバッテリーのバッテリー上がりを気にすることなく家電品を使用することができるため、快適なキャンピングカー生活には欠かせないものであるが、ドライヤーや電子レンジなど大容量の家電品を動作させるのは難しい。そのため大容量のサブバッテリーを2個搭載している例もある。
サブバッテリーに使用されるのは、主にディープサイクルバッテリーと呼ばれる種類のバッテリーだが、重量や経年劣化の弱点がある。これを解決するリチウムイオンバッテリーが発売され始め、将来は一般的になると考えられる。

シェル
キャブコンで、居住部として作成された独立したスペース。あるいは、ピックアップキャビンで居住部として積載する部分。貝の殻のようにシャシーに載せて使用するためシェルと言われる。従来はFRPで作られているものが多かったが、最近では軽量化、ペイントのしやすさでアルミ製のものが増えつつある。

  ピックアップキャビンのシェル(左)とキャブコンのシェル(右)の例

常設ベッド
ダイネットなどをベッド展開することにより、作り出されるベッドに対し、常に就寝専用のスペースとしているベッド。ベッド展開する場合は、スペースを有効に使用できるメリットがあるが、就寝前にベッド展開しなければならず、面倒な場合がある。常設ベッドの場合は、ダイネットをそのままにしてすぐに就寝することが可能で、布団などの寝具も常設しておくことができる。また、マットレスも就寝専用に考えることができるので、寝心地の向上も期待できる。常設ベッドの形態としては、後部に設置されるハイマウントベッドや、2段ベッド、バンクベッドがある。

常設2段ベッドの例(左)と常設ハイマウントベッドの例(上)

シンク
流しのこと。ギャレーコンソールが設置されているキャンピングカーでは、その一部としてシンクが付いており、水を使いことができる。大型のギャレーコンソールの場合はシンクも大型のものが設置でき、本格的な調理ができる。多くの場合、ギャレーコンソールの下には給水タンクと排水タンクが置かれており、給水タンクからポンプで吸い上げられた水は蛇口から出てシンクに落ち、排水タンクに流れる。

シンクと下に収納された給排水タンク

シャワー
キャンピングカーでのシャワー設備は、欧米のキャンピングカー(モーターホーム)では、長期滞在を前提としているので、付いているのがあたりまえであるが、日本ではどちらかというと少数派である。これは日本では各地に温泉や日帰り入浴施設があり、キャンピングカー内にスペースを犠牲にして設置する必要性が薄いためと思われる。また、温水ボイラーや防水ルームなどコスト面でも高価になってしまうことも大きな理由であろう。国産キャンピングカーで温水シャワー設備を求めると、どうしても一定の大きさ以上のキャブコン以上になってしまう。防水加工されたユニットを積載したバンコンも数少ないが存在するが温水設備まではかなり困難である。なお、ギャレーのシャワーフォーセットを車外に引き出せるようにしたモデルは多くあり、海水浴後のシャワーやペットの足を洗うなどの用途として使われている。

(左)キャブコンのシャワールームの例(セレンゲティー)
(上)バンコンに設置されたシャワールーム(カントリークラブ)

乗用車ベースキャンピングカー
基礎知識の乗用車ベースキャンピングカーの項参照

スタンダードキャブコン
ボンゴやタウンエース/ライトエース、あるいはNV200をベースにしたキャブコンはライトキャブコンと言われているが、カムロードやビーカム、あるいはハイエースを使用したキャブコンをこれらライトキャブコンと区別する意味で、当サイトではスタンダードキャブコンとしている。
なお、軽トラックをベースにしたものは軽キャブコンと分類している。
また、海外ではセミコンバージョンとかクラスCと呼ばれることが多いが、本書ではこれらを輸入キャブコンとしている。
写真下は左がビーカムをベース車にしたエートゥゼットのアルビオン、右がカムロードを使用したバンテックのジル520。

セミインテグレーテッド
欧州モーターホームの分類名。
エンジンの付いたシャシーに架装する形態をインテグレーテッド、あるいはフルインテグレーテッドと呼ぶのに対し、キャブ部を残したシャシーに架装する形態を言う。
ただし、その中でもバンクを持たないロープロファイルのボディを持ったものに限っている場合が多く、バンクを持つ形態はアルコベンと呼んでいる。
日本ではキャブコンに相当する。
米国では、アルコベンがクラスCに相当し、セミインテグレーテッドはクラスBに分類される場合がある。
セミインテグレーテッドの特徴は、キャブ部は車両メーカーのベース車をそのまま使うため製作する必要がなく、コスト的に有利なこと。
ウイークポイントはフルインテグレーテッドよりもスペース効率が良くないので、同じ車長なら多少車内が狭いこと。
そのため、セミインテグレーテッドはカップル向きのレイアウトが多く、ファミリー向きはフルインテグレーテッドの場合が多い。
下は左がデスレフのグローブバス、右がバーストナーのクルーザーコンフォートライン。
どちらもフィアットデュカトとベース車に使用している。

セミフルコン
キャンピングカーのカテゴリーで、マイクロバスをボディカットし、後部にシェルを搭載したものを総称した分類名。
従来はバスコンに分類されていたが、マイクロバスをそのまま、あるいは窓埋めして使用する架装方法と区別するため、この名称を使うことになった。
国産のキャンピングカーとしてはフラグシップにあたる架装形態で、価格も高価なため、需要の関係からあまり多くのモデルは発売されていない。
しかし、その広い室内と豪華な装備は、輸入車にも対抗できるものである。
写真下左はリエッセⅡをベース車にしたRVビックフットのACSオアシス、右はシビリアンをベースにしたフィールドライフのルーツ。

セワホース
「sewer hose」だが、「sewer」とは下水管の意味。キャンピングカーのトイレの汚物や洗顔などに使用した水はそれぞれブラックタンクやグレータンクに溜まるが、これらをダンプステーションに流すためのホース。オートキャンプ場にダンプステーションがある場合や、自宅の下水溝に流し時に使用する。

走行充電システム
走行中にジェネレーターで作られた電気をサブバッテリーに充電するシステム。
サブバッテリーの充電量が減っていると走行時にクルマのジェネレーターから自動的に充電される。メインバッテリーへの充電が優先され、メインバッテリーの充電が終了すると、自動的にサブバッテリーへの充電が開始される。
ただし、一般的には、メインバッテリーの充電が優先され、サブバッテリーに回ってくる電気は十分ではない。
このため、走行充電だけでサブバッテリーをフルチャージするためには、相当な距離を走る必要があり、現実的ではない。



ダイネット
主に食事をしたり寛いだりするダイニングスペース。レイアウトにより異なるが、テーブルを中心に対座できるようにシートが配置されている場合が多い。シートの配置により、二の字型、コの字型、L字型などと呼ぶ場合がある。また、デザイン性を重視したラウンジ形状を持つものもある。スペース効率を高めるため、2列目シートを、走行時は前方方向に、ダイネット構成時は後ろ向きにセットできるようにFASPシートを採用しているケースも一般的である。また、ダイネットはシートをフラットにセットすることでベッドに展開できるよう考えられているケースがほとんどである。

 対座式ダイネットの例(左)とラウンジ式(右)の例

タウンエース
トヨタの商用車で、トラックとバンがラインアップされる。
ライトエースは販売ルートの違いによる姉妹車。
エンジンは1.5Lで97ps/6,000rpmの出力。
ミッションは5MTと4AT、駆動方式は2WDと4WDを選択できる。
キャンピングカーにはトラックを使用したライトキャブコンとバンを使用したバンコンが各社から発売されている。
下はトラック(左)とそれを使ったキャブコンの例(右)。

下はバン(左)とそれを使ったバンコンの例(右)。

ダンプステーション
キャンピングカーのカセットトイレなどに溜まった汚物を捨てる場所、あるいは設備。オートキャンプ場では設置しているところもまるが、どこにでもあるというわけではない。

ディープサイクルバッテリー
現在キャンピングカーのサブバッテリーとして使用されている、最も一般的なバッテリー。キャンピングカーのサブバッテリーは主に室内に置かれるため、ガスが発生する一般的なエンジン始動用のメインバッテリーは使用できない。そのため、完全にシールドされ、メンテナンスフリーのディープサイクルバッテリーが、主にサブバッテリーとして使用されている。また、ディープサイクルバッテリーは過放電に対し強く、居住用として電気を使い切ってしまうような使い方をされるサブバッテリーに適している。しかし、ディープサイクルバッテリーは重量が重い点、充放電回数により劣化する点、経年劣化により数年で交換する必要がある点などにより、将来はリチウムイオンバッテリーにとって代わられると考えられている。

電子レンジ
その手軽さから電子レンジを搭載できるキャンピングカーが増えているが、電子レンジは大電力を必要とするため、使用状況を考えて使用する必要がある。一般的には使用される電子レンジは家庭用のものがそのまま搭載される場合が多く、500ワットや700ワットのものが多い。ただ、サブバッテリーで使用すると、数分~数十分しか使用できないので、大容量のサブバッテリーや2個目のサブバッテリーを搭載したり、発電機を搭載する必要もある。また、電子レンジのような100V動作の大消費電力家電を使用する場合は、大容量インバーターが必要。一般的にはラッシュ電流を考え1500W以上のものが使用される。もちろん外部100ボルト電源が常に使用できる場合はインバーターやバッテリーの増設は不要。電子レンジはオプション設定されている場合が多いが、ギャレーコンソールなどに設置場所が確保されていない場合もあるので注意が必要。確保されていない場合はどこに置くことになるのか確認しておくことをお勧めする。
電子レンジは主に車載用途として12Vで動作するものも発売されている。この場合はインバーターは不要だが、大電流を要することには変わりないので、シガーソケットから給電するのは避けた方が良い。

 アスカの電子レンジ(左)とクエストミヤビの電子レンジ(右)

トイレ
キャンピングカーで用いるトイレはカセットトイレ、ポータブルトイレそしてマリントイレがある。カセットトイレは便器が床に固定されており、汚物タンクは車外から取り出せるようになっている。キャブコンなどタンクを車外から出す扉を設置しやすい場合は、カセットトイレが扱いやすい。ポータブルトイレは便器とタンクが一体になっており、タンクのみ引き出して処理することができる。小型であり、設置工事も不要なので普及している。キャブコンではカセットトイレが比較的普及しており、ハイエースなどのバンコンではポータブルトイレが多いといえる。マリントイレは、ヨットや小型船舶に使用されているもので、本来は海水で流すものである。キャンピングカーで使用する場合は、タンクに流すことになる。これもカセットトイレ同様床に固定するので工事が必要である。

     カセットトイレ             ポータブルトイレ               マリントイレ

トラベルトレーラー
基礎知識のトラベルトレーラーの項参照



二段ベッド
常設ベッドとして据え付けられているもの、普段は収納されているが就寝時に跳ね上げてセットするもの、ベッド床板を渡して就寝時だけセットする簡易的なものの2種類がある。常設ベッドとして据え付けられている二段ベッドでは、車両長さ方向に就寝する場合と、車両幅方向に就寝する場合がある。一般的に車両長さ方向に据え付ける場合は長さに余裕があるため、本格的な二段ベッドが多い。車両幅方向に据付けられる場合は車両の最後部に設置されるケースが多い。車両長さ方向に据え付けられている場合は、多くの場合上段は展開して下段の背もたれにできるので、ロングソファとしても使用できる。車両後部に設置される車幅方向の二段ベッドでは、子供用に割り切っている場合もある。二段ベッドは車内の高さ方向を有効利用できるため、家族が多い場合などには便利であるが、カップルで利用する場合でも常設ベッドとして設置して置くことにより、ダイネットを展開してベッドにする手間が省ける。一方跳ね上げ式二段ベッドは就寝時にベッドをセットする必要があるが、多くの場合ベッドボードのロックをはずして設置するだけなので、手間は少ない。ただし、収納する関係上、ベッドサイズは比較的小さい場合が多い。就寝時だけセットする簡易的な二段ベッドは、ベッドを設置していない場合、空間が広く使えるが、就寝前にベッドを設置する手間がいる。車幅方向にベッド板を渡す方式が多いが、プルダウンするものもある。

  車両長方向に据え付けられた例            車両後部に車幅方向に設置された例

 跳ね上げ式二段ベッドの例               プルダウンする上段ベッドの例

 簡易的に設置する上段ベッドの例



ハイエース
トヨタが生産するワンボックスカー。バンコン、あるいはキャブコンのベース車として多く使われている。ハイエースには全長、前幅、全高によって大きく4種類のボディサイズがラインアップされているが、中でも最大のサイズであるスーパーロングはキャブコンに迫る広さを誇る。現在のハイエースは200系と呼ばれ第2世代のものである。更に詳しくは、基礎知識のハイエースの項を参照。

ハイマウントベッド
キャンピングカーで言うハイマウントベッドは、ダイネットを展開したベッドなどフロアレベルのベッドに対して、高い位置にあるベッドのことを指す場合が多い。ハイエースバンコンでは、後部に設置するレイアウトが多く、ハイマウントベッドの下は広い収納庫として使用できる。また、ベッドを取り外すと大きい荷物を載せることも可能というメリットもある。多くの場合常設ベッドとして使用されるが二段ベッドのように上下に就寝するのではなく、並んで就寝するので広い床面積を占有する。カップル仕様のバンコンに多く見られる。簡易的に設置できるハイマウントベッドを持つキャンピングカーもあり、この場合は設置時にギャレーなどの設備が使用できなくなる場合もある。

      常設のハイマウントベッド(左)と簡易ハイマウントベッド(右)

バスコン
基礎知識のバスコンの項参照

発電機
キャンピングカーで発電機を搭載する場合は、通常ポータブル発電機が使用される。ガソリンで作動するものが一般的であるが、最近ではガスボンベで作動するものや燃料電池式のものも発売されている。発電機は電子レンジやエアコンを動作させる場合に必要となるが、動作音が周りに対して騒音となる場合があるため、静かな環境では使用を控える必要もある。燃料電池式のものはこの点優位であるが、まだ価格的に高価で一般的ではない。

       ガソリン式発電機(左) と ガスボンベ式発電機(右)

バンクベッド
英語で書くとBunk bedでBunkとは棚とか寝台のこと。海外ではバックベッドというと、(家庭用の)子供用の二段ベッドのことを指す。国産のキャンピングカーでは、運転席の前に張り出した部分がベッドになっているものがあり、この場合はこの部分のベッドのことを言う。欧州のモーターホームではバンクベッドと言うと本来の家庭用2段ベッドの意味となり、写真下右のような二段ベッドのことを指す。また、米国のモーターホームではバンクというとプルダウンベッドを指す場合もある。日本で言うバンクベッドのことはa bed above the cab。

    運転席上部の張り出しを使ったバンクベッド     海外ではバンクベッドとは二段ベッドを指す

バンコン
基礎知識のバンコンの項参照

ビーカム
いすゞエルフをベースに、キャンピングカー専用に開発されたキャブコン用シャシー。
カムロード一色と言われた日本のスタンダードキャブコンのベース車に新たな選択肢を提供した。
スムーサーEXと名付けられたミッションは、マニュアルながらオートマチックミッションのような運転ができる。
また、後輪はダブルタイヤになっているほか、後輪のリーフスプリングを1枚にして乗り心地を向上させている。
更に、フルオートエアコンやイモビライザー、助手席エアバッグの追加など、快適、安全装備も追加している。
ビルダーではエートゥゼットが積極的に導入しており、アラモとアルビオンシリーズに採用している。

ピックアップキャビン
基礎知識のピックアップキャビンの項参照

FASP(ファスプ)シート
イタリアのFASP社製のマルチモードシートのこと。前向き、後ろ向き、フラットに形状を変えることができる。更には横方向のスライドも可能で、自由度が高い。キャンピングカーのシートは座り心地と寝心地を両立する必要があり、これはしばしば相反する。FASPシートはこれをうまく両立させているうえ、自由度の高い形状によって日本のキャンピングカーシートの定番になっている。ただし、最近では国産のREVOシートを採用するビルダーも増えつつある。

               シート状態(左)とベッド状態(右)

フィフスホイールトレーラー(Fifth Wheel Trailler)
小型のトレーラーのようにヒッチメンバーによる連結ではなく、貨物用トレーラーのようなカプラーによる連結をするトレーラーのこと。
動力車側にあるカプラーに、トレーラー側のピン(キングピンと呼ばれる)をロックすることで連結する。
トラベルトレーラーでは、一般的に超大型トレーラーに使用される。
フィフスホイールの語源は馬車時代からある用語がそのまま使用されており、国内では、この連結装置を「第五輪」と称している。
国内では大きさの問題で登録台数は非常に少ないが、北米ではフルタイムRVer、即ち多くの時間をモーターホームで過ごす人々を中心にそれなりのマーケットがある。
なお、欧州では一般的ではない。
写真下はウィネベーゴ社のハーモニー。(ニートRVのHPより)

フォーセット
蛇口のこと。ギャレーで使用する蛇口でシャワーフォーセットと書いてある場合は、先端がシャワーヘッドになっていることを意味しており、多くの場合引き出して車外で使用できるようになっている。海水浴などで車内に入る前にシャワーを使いたいときは重宝する。

フルインテグレーテッド
→インテグレーテッド

フルコン
基礎知識のフルコンの項参照

フロアベッド
バンク部分に設置するバンクベッドや主に後部に設置し、ベッド下を収納部とするハイマウントベッドに対し、フロア部に設置するベッド形態。主にダイネットをベッド展開することによって、フロアベッドにする場合が多い。

ブラックタンク
ポータブルトイレの汚物をためておくためのタンク。これに対し、洗顔などに使用した水をためておくところをグレータンクという。ブラックタンクにはあらかじめアクアケムグリーンなどの消臭剤を入れておくことにより、汚物を分解、消臭する。また、洗浄水にアクアリンスなどの洗浄剤を入れておくと、ブラックタンクが汚れにくくなる。

ブラックタンク(上左)と消臭剤の例(上右)

プルダウンベッド
通常は天井に収納しておき、使用する場合は引き下ろしてベッドとすることができる。フロアにベッドスペースを割く必要が無いため、フロアレイアウトの自由度が高くなるメリットがある。また、フロアベッドがある場合も就寝人数を確保することができる。このようなメリットがあるが、天井高が低くなったり、設置のコスト面でのデメリットもある。国産車でプルダウンベッドを装備しているモデルはあまり多くないが、欧米車ではフルコンモデルを中心に普及している。高級車では電動で動作するのが一般的。また、プルダウンベッド部のルーフを多少高くして、寝具を乗せたままでも収納できるようにしたモデルも存在する。
下は欧州車のプルダウンベッドの例。

ベッド
就寝するためのスペースだが、キャンピングカーの場合は、その設置場所や形態から、幾つかの呼び名がある。
バンクベッド
フロアベッド
ハイマウントベッド
2段ベッド
ルーフベッド
プルダウンベッド
キャンピングカーのカタログにはベッドの大きさが書かれているが、家庭用ベッドと比較すると分かりやすいので、以下に家庭用ベッドのサイズを記す。
・SSサイズベッド 幅850mm×長さ1950mm
・シングルベッド 幅970mm×長さ1950mm
・ワイドシングルベッド 幅1100mm×長さ1950mm
・シングルベッド ロングサイズ 幅970mm×長さ2050mm
・セミダブルベッド 幅1220mm×長さ1950mm
・セミダブルベッド ロングサイズ 幅1220mm×長さ2050mm
・ダブルベッド 幅1400mm×長さ1950mm
・ワイドダブルベッド 幅1540mm×長さ1950mm
・ダブルベッド ロングサイズ 幅1400mm×長さ2050mm
・クイーンベッド 幅1700mm×長さ1950mm
・クイーンベッド ロングサイズ 幅1700mm×長さ2050mm
・キングベッド 幅1940mm×長さ1950mm
・ワイドキングベッド 幅2200mm×長さ1950mm
・キングベッド ロングサイズ 幅1940mm×長さ2050mm

ベッド展開
キャンピングカーではスペース効率を上げるため、就寝するときにベッドをセットする場合が多い。これをベッド展開、あるいはベッドメーキングと言っているが、ダイネットを展開してベッドスペースにする手法を取るキャンピングカーは多い。この他、天井に収納してあるベッドを引き下げて就寝スペースとするものや、折りたたんだベッドボードを引き出してハイマウントベッドにするものもある。ベッド展開は、できるだけ簡単に、小さな力でできるものが開発されているが、就寝前に労力を使わないという点では、常時ベッド状態になっている常設ベッドが有利。また、ベッド展開する場合は、布団など寝具を収納して置く場所が必要となるので、実際に使用することを考えて選択するとよい。

ベンチシート
キャンピングカーのシートで何人かが並んで着座できるシートをベンチシートという。これに対し、一人掛けのシートをキャプテンシートという。ベンチシートは多くのキャンピングカーレイアウトで使用されており、走行時の前向き着座、ダイネット時の後ろ向き着座、ベッド時のフルフラットと柔軟に形状を変更できることから2列目シートはFASPシートが使用されている場合が多い。また、ダイネットサイドなどに固定のベンチシートを置いて着座人数を増やすとともにベッド展開できるようにしている場合もある。

 FASPシートの例(左写真手前のシート)と固定ベンチシート(左写真奥ののしーとと右写真左のシート)

ポータブルトイレ
→トイレの項を参照

ポップアップルーフ
停車時にルーフを持ち上げ、室内高を高くすることができるようにしたルーフ形状。天井高が稼げないバンコンで多く用いられる。ポップアップルーフには前か後がポップアップする場合(写真下左右)と、ルーフ全体が持ち上がる場合(写真下)がある。室内高を高くする方法として、FRP製のルーフを架装する方法もあるが、ポップアップルーフでは走行時は畳んで置けるので、車両高を低く抑えることができ、スーパーの駐車場などの高さ制限があるところでも入っていけるのがメリット。一方、ポップアップしたときの側面はテント地を使用しているため、風や冷気に比較的影響を受けやすいというデメリットもある。多くの場合、ルーフベッドとして使用できるようになっているため、就寝人数も多くとることができる。

ボンゴ
マツダが発売する商用車で、バンとトラックがある。
なお、日産バネットバンとバネットトラックは、マツダからのOEM。
キャンピングカーにはトラックがキャブコン用ベースシャシーとして使われており、ライトキャブコンとしてひとつのカテゴリーを築いている。
ボンゴバンは一部バンコンとして使用されているが、モデル数は少ない。
エンジンは1.8Lガソリンのみで、102ps/5800rpmを発揮する。
駆動方式は2WDと4WDが選べ、ミッションは2WD、4WDとも5MTと4ATが選択できる。
下の写真はボンゴトラック(左)とそれを使用したキャブコンの例。

下の写真はボンゴバン。




マリントイレ
→トイレ

マルチモードシート
FASPやREVOというブランドのシートが有名で、前向き、後ろ向きにセットできる他、フラットにして、他のシートやベッドボードとともにベッドにすることもできる。
シートの表面は凸凹がありシート時にホールド性に優れた形状を持ち、裏面はフラットでベッド時にフルフラットベッドになるようなシートも開発されている。
特に決まった一般名称は無いが、当サイトでは一般名称としてマルチモードシートとしている。
下はREVOシート。

マルチユースルーム
→ユーティリティールーム

道の駅
国土交通省が管轄する、休憩と地域振興を目的とする施設。24時間自由に出入りでき、トイレや休憩場所も24時間利用できる。近年ではキャンピングカーや車中泊で利用するユーザーも増え、観光の拠点としても利用されている。レストランはもちろん、温泉が併設されている道の駅もあり、国内におけるキャンピングカーや車中泊車には不可欠の存在となっている。しかし、車内泊や長時間の駐車は本来の目的とは異なるため、RVパークの併設も進んでいる。また、テーブルを車外に出して食事をしたり、オーニングを広げたりするマナーの低下も見られ、マナーの啓蒙活動も行われている。

メインバッテリー
クルマのエンジンを始動させるためのバッテリーを指す。キャンピングカーではメインバッテリーに対しサブバッテリーを搭載することがあるため、あえてメインバッテリーと呼ぶ場合がある。メインバッテリーはエンジンを始動するため、瞬時に大きな出力を要求される。また、充電時に水素ガスが発生するため、主に室内に設置されるサブバッテリーとして使用することは通常ない。また、過放電に対して著しく寿命を短くするため、居住用のサブバッテリーとして適していない。



ユーティリティールーム
トイレルームや収納庫として使用するための隔離された小部屋。ユーティリティールーム、マルチルームや、フリールーム、プライベートルーム、多用途ルームなどとも呼ぶことがる。キャブコンや比較的空間に余裕のあるハイエースベースのバンコンに装備されている場合がる。人が入れる程度の大きさを持ち、クローゼットとは分けて考えられる。シャワールームが付いたキャンピングカーでは、防水処理のためFRPで作られている場合もある。スペース効率を考え、使用するときのみルーム自体を引き出して必要な空間を作れるものも登場している。当サイトではユーティリティールームの名称を使用している。
        使用するときは引き出して空間を作る(右)

輸入キャンピングカー
基礎知識の輸入キャンピングカーの項参照




ライトキャブコン
キャブコンの中でも、ボンゴやライトエース/タウンエース、あるいはNV200バネットなど、軽キャブコンよりも大きく、スタンダードキャブコンより小型のものを区別した呼び名。従来、キャブコンといえばスタンダードキャブコンクラスを想定していたが、取り回しが良く、軽キャブコンより広い室内スペースを実現できるカテゴリーとして急速に広まった。本格的なキャンピングカーの装備を実現しながら、価格的にも手ごろなところも人気の理由と思われる。
下は左がライトエースをベース車にしたRVビックフットのACSコラボ、右はボンゴをベース車にしたロータスRV販売のマンボウ。

ラウンジシート
ダイネットのシートレイアウトで特にラウンジソファを設置したものをラウンジシートと言う。ダイネットの形状では、圧倒的に対座式ベンチシートが多いが、インテリア性に振ったレイアウトやカップル用のレイアウトで用いられることが多い。このタイプでは走行中の着座には向かない。

リチウムイオンバッテリー
キャンピングカーのサブバッテリーとして現在一般的に使用されているのは、ディープサイクルバッテリーであるが、これは重量、充放電回数、経年劣化の問題がある。そこで、将来のサブバッテリーとして期待されているのがリチウムイオンバッテリーで、これは、
1 ディープサイクルバッテリーに比べて、容積、重さが約半分
2 超寿命(ディープサイクルバッテリーの約10倍)
3 メモリー効果が少ないので継ぎ足し充電できる
4 経年変化が小さく、使っているうちに性能が落ちてくることが無い
5 急速充電可能
などのメリットがある。
現在は、ディープサイクルバッテリーに比べ高価なため、普及は一部に限られているが、日産はEVで使用されるリチウムイオンバッテリーをキャンピングカーのサブバッテリーとして使用することを提案している。
また、オンリースタイルからは、スタンドアローンのリチウムイオンバッテリーが発売されている。
写真下左は2014年に展示された日産の試作車、右はオンリースタイルのシノポリー。

ルーフエアコン
→エアコン

ルーフベッド
ルーフ上に設けられたベッドスペース。ルーフベッドが可能なのはポップアップルーフ、あるいはFRP製のハードルーフを架装した場合などがある。ただし、ハードルーフベッドはキャブ上に出っ張り(バンク)を設けてその部分をベッドとして使用する場合がほとんどで、この場合は一般的にバンクベッドと言う。ルーフベッドにより就寝人数を増やすことができる他、ダイネットを展開せずにベッドが出来るため、常設ベッド的にも使用できる。

      ハードルーフを使用したルーフベッド(左)とポップアップルーフのルーフベッド(右)

冷蔵庫
キャンピングカーの冷蔵庫は容量、駆動方式、上蓋/横蓋で分類される。家庭用の冷蔵庫は電気で冷やすが、キャンピングカーの冷蔵庫はDC12V、AC100V あるいはLPガスを使用する。これら3種の駆動方式が全て使えるのが3ウェイ、電気のみが2ウェイ、DV12Vのみが1ウェイとなる。LPガスを使用する3ウェイは電気を使わないためサブバッテリーを消費することは無いうえ、コンプレッサーが動作しないため静かであるというメリットがある。外部電源が取れたり、走行充電が頻繁に行える場合は1ウェイか2ウェイで問題ない。ただし、サブバッテリーのみで使用する場合、電気の消費が大きいため、サブバッテリーの状態を気にしておく必要がある。容量はハイエースバンコンで40リッター程度、キャブコンで60リッターから100リッター程度が一般的。蓋の位置は上扉は冷気が逃げないというメリットがある。

                横扉方式(左)と上扉方式(右)の冷蔵庫

REVOシート
前向き、後ろ向き、フラットとシート形状を自在に変更できるマルチモードシートで、キャンピングカーの2列目シートなどに使われる。日本のワークヴォックス社が生産するもので純国産シート。従来この手のシートといえばイタリアのFASP社製のものが定番であったが、最近ではREVOシートを採用するビルダーも増えつつある。座面の表は座り心地に考慮した形状、裏はベッド用にフラットな形状とすることにより、キャンピングカーで求められる座り心地と寝心地を両立している。

 着座時は表面を使い座り心地の良い形状(左)、ベッド時は裏面を使いフラットになる(右)

【わ行】


(常時更新)