FOCSアリゼはフジカーズジャパンのハイエーススーパーロングベースのバンコンキャンピングカー。
同社は輸入モデルも多く扱っているが、オリジナルのモデルには全てFOCS（フォックス）の頭ブランドを付けている。
オリジナルブランドは全てバンコンで、ベース車は軽、NV200バネット、NV350キャラバン、ハイエースまで揃っている。
中でもハイエースは充実しており、各ボディサイズのモデルが用意されている。

FOCSアリゼはハイエーススーパーロングをベースにしたバンコンで、他のFOCSラインアップ同様、外観には手を加えず、内装のみ架装するスタイルをとっている。
そのため、価格的には比較的低く抑えられており、ハイエーススーパーロングながら400万円台を実現している。

FOCSアリゼの特徴はスーパーロングを使用した広い室内と、ファミリーで泊りがけのドライブを想定したレイアウトにある。
2列目シートにはマルチモードシートを採用し、前向きにセットすれば家族全員が前向き乗車できる。
ミニバンのように使えるので、ファミリーカーの延長線上にあるモデルと言える。

また、3列目には横向きの対座シートがあり、ゆったりと寛げる空間となっている。
2列目シートを後ろ向きにすれば、更に座席数が増え、子供が3名いても窮屈なことはない。

シートを全てフラットにすると、2列目と3列目シート部がフロアベッドになり、後部は子供用ハイマウントベッドになる。
規格寸法上は大人3名が就寝できるとされているが、現実的には大人2名と子供2~3名といったところだろう。
即ち、中学生程度以下の子供がいるファミリー向けで、休日に1~2泊のドライブに行く、というシチュエーションが想定されるモデルと言える。

8ナンバーなので一応ギャレーは付いているがベッド展開すると後部ベッドのマットの下に隠れてしまう。
もちろん子供が小さくて、大人と一緒にフロアベッドで寝る場合は、後部はギャレーのまま残して置けるので、49リッター冷蔵庫へのアクセスも容易である。

ギャレーは通常の大きさのシンクがビルトインされており、皿や鍋も何とか洗えるだろう。
コンロは卓上型のカセットコンロを置くタイプだが、調理台が広く、コンロを置いても調理スペースが広く取れる。
更に向かい側のラックも使えるので、食器が多くても大丈夫だろう。
電子レンジのオプション設定は無いが、収納スペースはありそうなので、要相談と思われる。

収納はギャレーの向かいのラックが大きな収納ラックになっており、ベッドボードなども収納できる。
ただ、オーバーヘッド収納や引き出し収納が無いので、食器や小物の収納は悩むことになるかもしれない。

電装系は105Ahのサブバッテリーが1個標準装備されるが、オプションでもう1個増設可能。
走行充電はもちろんだが、外部100V入力/充電も標準装備される。
充電は更に145Wのソーラーシステムもオプションで用意されている。
インバーターは350Wが標準装備されるので、小さな消費電力の家電なら100Vで使うことができる。
電子レンジなどの大容量機器を使う場合は、オプションで1500Wが用意されている。

空調はFFヒーターがオプション設定されているが、家庭用エアコンの設定はない。

FOCSアリゼは、ファミリーで休日にキャンプや車中泊をするのに適している。
スーパーロングなので居住性は有利だが、ただ、日常使用には、車体の大きさを持て余すかもしれない。
買い物や送り迎えと言った場面では、取り回しが悪いことを知っておく必要がある。
同社には標準ボディ―やワイドロングボディのモデルもあるので、比べてみると良いだろう。