Exsis-tはハイマーのSmall-Middleレンジをカバーするシリーズで、フィアット デュカトをベース車にしたセミインテグレーテッド（キャブコン）スタイルのキャンピングカー。国内でハイマーを扱うディーラーは数店あるが、今回はホワイトハウスの展示車を紹介する。

Exsis-tシリーズはレイアウトにより4モデル存在するが、474は全長6.5mでシリーズ中最も小型に位置する。
レイアウトは欧州車では代表的なもので、前部にダイネット、最後部にベッドルーム、中間にサニタリールームとギャレーを配置する。

ダイネットはL字型ソファと、回転して後ろ向きになる運転席、助手席により、4名でテーブルを囲める。ただし、ベッドはツインベッドのみなので、主にふたり旅を想定したレイアウトと言える。ダイネット上部には大きなサンルーフがあり、明るい空間となっている。

ベッドルームは、ツインベッドなのでプライバシーが確保され、就寝のタイミングが違っていても、先に就寝している人を起こさないでベッドに入ることができる。

ギャレーコンソールには、3口バーナーを持つコンロとシンクがビルトインされており、本格的な調理も可能。跳ね上げ式の調理台も用意されているので、十分な調理スペースもある。
また冷蔵庫は90リッターの大型なので、数日分の食材も保存しておくことができ、滞在型の使用でも毎日買い出しに行く必要がない。

サニタリールームはトイレとシャワールームが共通だが、シャワー時にはトイレとの間にパネルをスライドすることができるので、トイレが水浸しになることは無い。
トイレはカセットトイレを標準装備、独立した手洗いも用意されている。

シャワーはもちろん温水が可能で、100リッターの給水タンクと20リッターのボイラータンクを装備する。使用時は高温のボイラータンクの湯を給水タンクの水と混合して適温にする。

収納はベッドルーム、ギャレー上部、ダイネット上部にオーバーヘッド収納を用意しており、十分な収納力を持つ。
また、ギャレーコンソールには引き出し収納をがあり、食器などはここに収納すると便利だ。

その他ベッド足元やサニタリールームにも収納が用意されている。更に、ベッド下には大きな外部収納があり、自転車などの大きな荷物も積み込むことができる。

電装系は95Ahのサブバッテリーを2個標準装備する。ただ、オプションの大型冷蔵庫にした場合や家電製品を長時間使うような場合には、リチウムバッテリーの搭載を検討するのが良いかもしれない。

空調はFFヒーターが標準装備されるが、冷房に関しては家庭用エアコンなどのソリューションは提示されていない。このクラスの日本車なら今や当たり前の装備になっているので、装備の可能性を確認すると良いだろう。

また、ガスは8KgのLPガスボンベ2本を搭載できるが、旅行先でガス充填をしてくれない場合があるので、そのような事情も確認しておくと良いだろう。

更に、右ハンドルはオプション設定されているが、22万円と高額なので躊躇するところだ。左ハンドル車に乗った経験があれば左ハンドルでも特に問題ないが、初めてでも慣れてしまえば左に思い切って寄せられるので、むしろ大型車は運転しやすいだろう。

Exsis-t474は6.5mの車長なので、取り回しやフェリー料金の点で6mを切るツインベッド仕様のHymer Van374と迷うところかもしれない。
Hymer Van374では大型冷蔵庫を置くスペースが無いので、滞在型ならやはりExsis-t474のほうが有利だろう。