輸入モデルvs国産モデル 内外キャブコン比較(1/6)


輸入モーターホームの販売台数が伸びている。
この原因の一つは、いわゆる欧州の大手ビルダーのセカンドブランドモデルが、比較的安価な価格で販売され始めたことが挙げられる。

セカンドブランドというのは、大手ビルダーの翼下のビルダーで、例えばアドリアモービル翼下のサンリビングデスレフ翼下のサンライトといったブランドだ。
これらのブランドはファーストブランドよりも比較的低い価格付けがされており、現在では700万円台 から ラインナップされている 。
また、セカンドブランドではないが、ローラーチームエースキャラバンズのような安価なモデルもある。
これらは欧州車に限られるが、 欧州車特有の洗練されたインテリアや、温水シャワーまで標準の充実した装備はファーストブランドと変わらない。

これくらいの価格になると、主流の国産のスタンダードキャブコンとの競合が発生するようになる。
今まで輸入モデルは高価だったので選択肢に入らなかったが、価格的に変わらないなら輸入モデルも検討項目に入れるユーザーも増えてきたのではないだろうか。

そこで今回は、6m以下かつ800万円以下の輸入キャブコンと、これらと競合するであろう国産モデルを比較してみた。
国産モデルに関しては、スタンダードキャブコンの上位モデルが中心になる。

以下が今回ノミネートしたモデルとそのベース車。なお、価格はすべて車両本体価格(税別)。
 
 輸入モデル
 ・Zefiro(ゼフィーロ)235TL ローラーチーム(740万円)デュカト
 ・S60SP E* サンリビング(価格不明)デュカト
 ・T60 サンライト(780万円)デュカト
 ・ACE565シリーズ エースキャラバンズ(695万円)デュカト

 国産モデル
 ・ACSプルミエ5.6 RVビックフット(751万円)ハイエース
 ・クレアスティング5.3 ナッツRV(715万円)カムロード
 ・ジル バンテック(732万円)カムロード
 ・TSUBASA NTB日本特殊ボディー(794万円)ビーカム

各モデルの解説の前に、欧州モデルと国産モデルの大雑把な比較をしておこう。

ベース車
欧州モデルのベース車は、フィアットのデュカトが 大きなシェアを占めている。一部メルセデスなどのベース車もあるが、一般的に高価で、普及価格帯のモデルはほとんどがデュカトだと言っていい。
エンジンはディーゼルのみでガソリンエンジンは存在しない。
デュカトはキャブオーバーではないことから、商用車ながらそれらしく見えないのが魅力。しかし一方、 FF しかなく4WDがないのはウイークポイントだろう。 ただ、ビルダーからしてみれば、 後部のシャシーの長さが自由に選択できるので、メリットでもある。
実際、レイアウトにより様々な全長のモデルが 用意されている。

レイアウト
欧州車のレイアウトは、型にはめたようにどのビルダーも似たレイアウトを持つ。
特に運転席と助手席が回転して後ろ向きになり、2列目の前向きシートと向かい合わせ、対座ダイエットを形成する手法はほぼ全てのモデルが採用する。
ベッドは常に後部にあり、 多くの場合ハイマウントダブルベッドやツインベッドが常設されている。
そしてダイネットとベッドルームとの間に、ギャレーやサニタリールームが配置されている。

インテリア
一般的に洗練されたインテリアが多く、特に高級な材質を使っているというわけではないが、見た目がお洒落だ。特に、サニタリールームの高級感は高く、温水シャワーは必需品として装備されている。また、ギャレーも料理をする前提で考えられており、2口以上のガスコンロがあるのはあたりまえ。まさに室内で過ごすためのモーターホームだ。インテリアは欧州車が選ばれる大きな理由の一つとも言えるだろう。

装備
多くの場合、冷蔵庫、 FFヒーター、カセットトイレ、温水シャワー は標準装備されている。電装系に関しては、欧州では キャンピングサイトが充実しており、外部電源が普及していることから、サブバッテリーは必要最小限しか搭載していないことが多い。
また、ルームエアコンが装備されていたり、装備できるようになっているということは少なく、家庭用エアコンの取り付けは国内のビルダーが行うことがほとんど。
オリジナルの設計が、家庭用エアコンを取り付けるように考えられていないので、国内のビルダーのノウハウに頼る必要がある。

国産モデルとの比較
一方国産モデルは、カムロードやハイエースのようにキャブオーバーのベース車がメインになっており、 デュカトのようなスマートさに欠けるのがウィークポイント。特にカムロードの場合はどうしてもトラック臭さが残ってしまう。

国産モデルの優位点は、多様なレイアウトが用意されていること。 日本には温泉が多く、またトイレもすぐに見つかるので、シャワールームやトイレルームがなくてもさして困ることはない。 このような理由から、ルームレスのレイアウトを選択することもできる。

装備に関しては、外食中心のユーザーが多いためからか、国産モデルのギャレーはシンプルになる傾向にあり、キャブコンでもコンロがビルトインされておらず、卓上式カセットコンロの場合がある。

また高温多湿な日本ではキャンピングカーにも家庭用エアコンを装備することが一般的になってきており、スタンダードキャブコンレベルであればほとんどのモデルが家庭用セパレートエアコンを装備することができる。

電装系では、国内では外部電源が普及していないため、発電機やソーラーパネルなど、自車で発電するシステムも発達している。 また、サブバッテリーも2個以上搭載できるように考えられているモデルがほとんどで、リチウムイオンバッテリーの普及も進みつつある。

大まかに言えば、インテリアで輸入モデル、実用性で国産モデルを選ぶ棲み分けができるかもしれないが、最近では輸入モデルにも エアコンをはじめとする家電品が搭載できるようになったり、高級感のあるインテリアをもつ国産モデルが多くなってきているのも確かだ。

では各モデルを見ていこう。

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2018.6.4