5-3. 夏休みは家族で長期旅行に


夏休みなどの長期休暇こそ、キャンピングカーが最も活躍するシチュエーションです。

キャンピングカーなら、混んでいる宿を予約したり、急な予定変更にも対応できますし、トイレがあれば、列ができている観光地のトイレに並ぶ必要もありません。
子供がグズらないか、ベビーカーは大丈夫かなどの心配もいりません。
何より、自由度が高くコストがかからない家族旅行ができます。

ただ、このシチュエーションは、キャンピングカーにとって、最も厳しい条件と言えます。
多人数で、長期間、長距離を移動するからです。

まず、考えなければいけないことは、1週間、あるいはもっと長い旅行であるということ。
そしてファミリーで長時間空間を共にする、と言うことです。

即ち、狭い空間では疲れが溜まり、イライラして不要な喧嘩をしてしまう、と言うことにもなりかねません。
家なら、自分の部屋に避難するということもできますが、キャンピングカーではそのようなことはできません。

従って、やはり大きいキャンピングカーほど有利と言うことになります。

できれば、スタンダードキャブコンやバスコン、あるいは輸入モーターホームが理想的です。
天井が高いか低いか、立って歩くことができるかできないか、は大きな違いがあります。

 ナッツRV クレア5.0タイプWの室内

全員が前向き着座してドライブできるというのも、重要なポイントです。
固定対座式のダイネットの場合、後ろ向きに着座するモデルもありますが、これでも良いでしょう。
しかし、ロングソファなどで横向きに着座するモデルは、長距離ドライブの場合は、やはり疲れます。

ギャレーもあった方が良いでしょう。
毎日外食と言うのも飽きてきますし、朝食はトーストとコーヒーで良いかもしれません。
また、たまには車内で調理できる程度のあっさりした夕食も良いでしょう。
家族で毎回外食では、費用もバカになりませんし、胃腸にもあまり良いとはいえないでしょう。

コンロとシンクはもちろんですが、冷蔵庫と電子レンジも欲しいところです。

子供が小さい場合は、トイレルーム付きが良いでしょう。
なお、温水シャワーは、家族分の湯を作るのは結構時間がかかったりしますので、温泉や銭湯に行く方が便利です。

収納スペースは重要です。
家族の1週間分の着替えとなると、結構かさばります。
夏場ならまだマシですが、肌寒い季節では、かなりの容量になります。
こうなると、シート下やオーバーヘッド収納だけではとても足りません。
できれば、ハイマウントベッド下などに大きな収納スペースのあるモデルをお勧めします。
車内のスッキリ感が全く違ってきますし、気分的にも疲れないでしょう。

また、ベッド展開が必要なレイアウトも、できれば避けたいところです。
1~2晩なら楽しいベッド展開ですが、毎日となると面倒になってくるものです。
1週間の間には雨の日もあるでしょうから、車外に出ないとベッド展開できないレイアウトなどは最悪です。
ファミリーが車内にいて、荷物があって、ダイネットを展開する、という状況を想像してみてください。小さなバンコンでは、かなり厳しいことが分かると思います。

全員分の常設ベッドが理想的ですので、例えば、後部にダブルベッド、およびバンクベッドを持つモデルなら、ダイネットをそのままにしてすぐに就寝できます。

使う電気量も多くなってきますが、1~2泊の場合と違うのは、充電しなければならないということ。
走行充電や太陽光充電だけでは賄いきれないことは、知っておくべきです。
従って、外部充電機能は必須ですし、発電機があれば、外部電源を求めて行き先が限定されることもありません。

また、観光地などは涼しいところとは限りません。
道の駅でも、路面が保熱しており、暑くて寝付けないこともあります。
やはり、エアコンがあれば理想的です。

なお、1日の走行距離は控えめにすることをお勧めします。
毎日長距離を走ると、同乗者はかなり疲れるものです。
できれば明るいうちに目的地に着き、温泉に行ったり、ゆっくり夕食の支度をしたりする時間を持つことを心がけると良いでしょう。

お勧めのボディタイプとポイント

・スタンダードキャブコン以上が理想的
・バンコンならスーパーロング以上が理想
バスコンなら乗り心地面でベスト
・ポップアップルーフやハイルーフがあればベター
・輸入モーターホームならアルコベンプルダウンベッド付き

お勧めのレイアウト
・全員が前向き着座してドライブできること
・後部ハイマウントベッド+バンクベッド
・家族分の荷物を収納できる十分広い収納

お勧めの装備
・人数分の常設ベッド
・ギャレー、冷蔵庫、電子レンジ
・外部電源入力
・発電機
・エアコン


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2017.2.13